この記事では、冬季に特有の「絞り茶巾」のお点前のプロセスと
その背景について詳細に説明します。
冬季の絞り茶巾のお点前プロセス
準備段階
通常と異なり、絞り茶巾のお点前では、茶巾を通常の方法で畳むのではなく、水をしっかりと絞った状態で、茶巾の一部が左側に傾くように茶碗に配置します。
この状態で茶巾をセットします。
冬には筒茶碗がよく使われます。
茶筅を上に置き、茶杓を添えて、他の準備は通常通りに行い、お点前を開始します。
お点前の実施
・通常のお点前を進めていきます。運び式や棚式に応じて行います。
・茶筅を使用する過程で、時計回り、反時計回りの動作を行い、その後手を離します。
・次に、お茶碗にお湯を注ぎ、茶筅を浸した状態で、茶巾を丁寧に畳み直します。
・茶巾を畳み終えたら、釜の蓋に置き、一時中断した茶筅の動作を続け、お点前を進めます。
茶巾を畳み直すタイミングが重要です。
絞り茶巾のお点前の意義
お茶碗にお湯を注ぐタイミングで茶巾を畳み直し、
その間にお茶碗と茶筅がお湯によって十分に温められることがポイントです。
実際に、お茶碗はかなり温かくなります。
冬の寒さの中で、茶室内も冷え込みますが、
温められたお茶を客に提供するために、冬の絞り茶巾のお点前が行われます。
まとめ
絞り茶巾のお点前に関しての要点をまとめます。
・絞り茶巾のお点前には夏と冬の二種類があります。
・お点前での茶巾の畳み直しのタイミングが鍵を握ります。
・寒い時期にお茶碗を十分に温めることが目的の、冬季限定のお点前です。
絞り茶巾のお手前で温められたお茶碗を手にすると、
冬の到来を実感します。
茶道は季節を感じさせる要素に満ちていますが、
絞り茶巾のお点前もその一つです。
冬の絞り茶巾の練習を楽しむことで、
季節の変化を感じましょう。
