元々、茶道で供される主なお菓子としては、
上生菓子(じょうなまがし)と称される伝統的な和菓子が挙げられます。
これらの和菓子が登場したのは、江戸時代の中期頃からでした。
茶の湯の起源が記録されているのは1484年であり、
上生菓子のような和菓子が登場するまでには200年以上が経過していました。
これらの和菓子が千家の茶道に正式に採用されたのは、
それから更に時が経った明治時代のことです。
その以前に茶道で何がお菓子として提供されていたかと言うと、
初期の茶会記録には、
- 焼き栗や銀杏のような木の実
- 餅(草餅など)
- 饅頭(豆や竹の子を含む)
など、様々な食べ物がお菓子として挙げられています。
初期の茶道で提供されたこれらのお菓子と比べて、
現代の茶道におけるお菓子、
特に和菓子は、繊細な装飾や季節を表すデザインに、
職人の高度な技術や感性が反映されています。
これらは、季節の移り変わりを客に感じさせ、
驚きや感動を与える大きな役割を持っています。
茶道の始まりには存在しなかったこれらのお菓子ですが、
現在では茶道の空間を美しく彩り、
欠かせない要素の一つとなっています。